
1年生は、1限から校外学習に出掛けました。ねらいは「名立の水資源に関わる関連施設を見学し、水資源の保全や利活用について学びを深める。」ことです。午前中は2か所の見学をしました。
最初に、県が管理している水力発電所である、高田・新高田発電所へ行きました。この発電所で使われている水の最初の取水場所は、名立川の名立取水ダムです。山の中のトンネルを通って上越高田インターの近くまで運ばれ、それが発電に使われています。 新高田発電所より、高田発電所の方が多くの電気を発電することができるため、発電する量(流入する水量)で使い分けているようです。今日の水の流入量は0.72tと少ないため、新高田発電所で発電していました。 水が流れる音がとても大きく、説明してくださった上越利水事務所の方の声を聞き取るのが大変なほどでした。新潟県には県が管理している水力発電所が11か所ありますが、発電機の操作はそれぞれの発電所ではなく、村上市にある発電管理センターで、24時間365日、常に管理しているそうです。水力発電は燃料を使った発電ではないため、現在の価格高騰に左右されることなく発電できていることが分かりました。
その後、高田・新高田発電所で使った水の一部を運び込み、浄水して飲用水にしている城山浄水場へ行きました。浄水場では、大きく分けて3つの過程で浄水されていくことが分かりました。 まずは、入ってくる水の状態を見て、着水井でその日の水に応じた薬剤を調整して入れます。次に、沈殿池で薬剤の入った水をプロペラで撹拌し、ごみと水を分離させます。最後に、ろ過池で砂や砂利の層を通してろ過し、各家庭に配水しているそうです。 ここで浄水された水は高田や上越妙高駅付近で使われており、名立区には届いていません。名立区では名立取水ダムより上流で取水したものを不動浄水場で浄水し、それが配水されているそうです。 毎日何気なく蛇口をひねって飲んでいる水ですが、安全な水が簡単に飲めることは世界でも珍しく、ありがたいことだと感じました。
午後は名立の水道の源流を目指して名立区の奥地へと向かいました。初めに立ち寄ったのは取水ダムです。ここでは、午前に続いて高田利水事務所の方が待っていてくださり、設備の説明をしてくださいました。取水ダムでは水をためて砂を沈め、ゴミを取って水をきれいにしていました。しばらくまとまった雨が降っていなかったため、名立川の水量は少なく、穏やかに流れていました。
取水ダムでお話を聞いた後、一般車両立ち入り禁止のゲートを開いていただき、さらに奥へと進みました。青空が広がる中、不動山と火打山が間近に見えたときにはバスの中で拍手が沸き起こりました。坂本弁護士の慰霊碑の前で手を合わせ、お参りをした後、水源の大元であるブナ林を散策しました。美しく伸びたブナの林の中、水は静かに流れていました。手を浸すと水は冷たくて気持ちよく、ここでも歓声が上がりました。林の中には炭焼き小屋があり、名立の資源の豊かさを感じさせてくれました。普段なかなか知ることのできない、地域の姿を見ることができた一日でした。
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